雑記もろもろ。

オタク的所感の備忘録

なのはRef→Detの物語の軸

Detonation公開されました( ;∀;)


Refからの流れあっての評価ではあるのですが、映画作品としてのエンタメ性は過去最高傑作だと思ってます。
シナリオのLyricalさの軸が多く確かなもので、それが代わる代わる無駄なく繰り広げられて、そしてそれぞれが挿入歌で彩られる、という観てて飽き(る暇も余裕も)ないつくり。

その中でも今回インパクト大きいのはマテ娘とユーリの絆ですが、大きな物語として見た時に一番の軸となるのはやはりキリエとイリスを繋ぐそれのように思います。
キーワードは「嘘」と、嘘が紡ぎ上げた真実の絆、といったところで。


自分がReflectionを観て一番心に残ったのは、キリエというキャラの魅力と、それを騙すイリス、という構図でした。
http://lyrihiro.hatenablog.com/entry/2017/08/29/002320

そしてDetonation、エルトリア衰退の原因は自分が考えてたほどややこしくはなく、物語の着地点も山寺ァ!一本に絞られてたけど、
今回過去作全てと違うのはやはり、騙されて悪事を働いた少女達に作中でその責任が跳ね返ってる展開になってる事だと思うんですね。reflect。
上で書いたキリエのもそうだし、今回結局騙されてるだけ、て分かったイリスもそうだったように思います。
ただ、イリスのそれはキリエの「親を助けたい!」という思いから来た純粋なそれとは違って、復讐だけを考えた結果盲目的になってさらに利用される、
っていう少し意味合いの違うものではあるのだけど。そこすらも山寺ァ!の掌の上疑惑はある。

作中で悪事を働く子達に対するある種の断罪、都築のおっちゃんが今回一番やりたかったのはたぶんこれなんじゃないでしょうか?


そして嘘が紡ぎ上げた絆、これはイリスとキリエのそれに尽きると思います。元々騙すつもりで触れ合ったけど、その嘘を重ねるうちに真の心の繋がりが出来ていく。
それは「これ以上どうしようもない奴にしないで!!」と、キリエに向けた銃口、殺してしまえという操りの声に泣きながら抗う様でも明らかに。
そして出てくる「私はずっと騙していたんだ(だから嫌いになってくれ)」という心の叫び、これはクロノ君のイリス評、最後には生きる事からも逃げてゆく、
という様をまさに表していて心にきました。非情な現実に叩きのめされた時に最後に全てを手放して、見離されて独り楽になりたい、
きっとそんな思いからきた発言で、本来そのまま打ち捨てられてもおかしくないような自暴自棄さ。


そんなイリスに手を差し伸べるキリエ、たとえあなたにとっては嘘だとしても私にとっては真実の絆だった、という叫びはかつてフェイトちゃんがプレシアにかけた言葉がフラッシュバックしました。
ただ、愛すべきどヘタレキリエちゃんがいきなりそんなに心が強くなるわけなんてなくて、それは逃げたい自分を騙して、死ぬような目に遭いたくない心に背いて、
それでも操られて悪事を働くイリスを助けたい一心で圧倒的な力に抗っているんじゃないかと。嘘をついても震えたままでも、ここから逃げたりしない、とばかりに。

結局のところキリエ自身の力ではマテ娘達のようにオーバーキルは出来なくて、なのは達の全力全開に助けられる形になるのだけれど、
助けようと死力を尽くした事実は消えないし、それこそが今回のキリエの成長と言えるのだと思う。
ただ欲を言うと、アミタにはキリエと合流して2人でイリスを抑えて欲しかった、ってのはあるかなぁ。


嘘の繋ぐ絆、ってところでもう1つ重要なのは、所長を取り巻く嘘があるのですがこれはまた別にまとめたい。
思うに、彼は1つも嘘をついてなくて全てが真実なのじゃないかなぁ。