雑記もろもろ。

オタク的所感の備忘録

うちのメイドがウザすぎる!とかいう去年一番の名作

めっちゃくちゃ楽しかった!!!本当に素晴らしかった!!!!!



内容的には金髪ロリがガチムチのロリコンスーパーメイドとその友人(?)に振り回されたり

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って表情をするセウトな変態アニメです。
とりあえず1話Aパートだけ見てください。そこまででいける、と思ったらいけます( •ㅂ•)و✧

ただ、最終回での心の在り方、立ち位置の対照さには不覚にも心打たれました。ただの変態アニメが名作に化けた瞬間。今年最高です(下書きをやっと完成させたのでもう去年の話ですが)


金髪ロリ(以下ミーシャ)は母の死をきっかけにずっと心を閉ざしていました。
死んだ母との思い出の部屋を誰も入ってはいけない開かずの間として、時には母との思い出に浸る為にずっと籠もり続けたり。
息をするように変態行為を働くスーパーメイド(以下つばめ)も、そこだけは絶対に踏み込んではならない聖域としてミーシャを尊重し続けていました。


そんなミーシャもつばめとの心の交流(オブラート)がきっかけでヒキコモリから脱して、つばめのおかげで友達も出来て、そしてその友達が初めてお泊りに来たのだけど、
夜中にトイレに起きた友達が恐い思いをした時についうっかり開かずの間に入ってしまうんです。
そして翌朝誰かが踏み入った事を知ったミーシャがぶっ壊れた目で「まさか友達が…?」と激高しかけたのを察したつばめが「私がやりました」ととっさにかばい、2人の間には決定的な亀裂が生じる、
というありがちと言えばありがちと言える文脈で最終エピソードは進んでいきます。


そしてつばめに明かされるミーシャが本当に激高した理由、それは開かずの間、母との思い出の部屋に誰かが踏み込んだ事自体ではなく、
踏み込んだ事が分かった時に思ったほどの心の傷を受けなかった自分自身に対する怒り、
自分はあんなに好きだった母との思い出をないがしろにしている、母の事を忘れて楽しく生きてる事に対する自己嫌悪だった、と。
それは母との別れから確実に立ち直ってる、新たに心の拠り所を見つけられてるという証左なのだけど、幼いミーシャにはそれが分からないんです。


つばめはミーシャに自分の身の上を語ります。
自衛官パイロットだった父が急死して、それを受け入れられなかった幼いつばめは母から「お父さんは空の上に行ったのよ」と聞かされます。
「空にいる父さんに会いたい!」という思いだけで父と同じパイロットを志した彼女は、順調に自衛官となり父と同じように空を飛びます。空にいる父に会う為に。
その後目を患い結局は自衛官の職を辞するのだけど、結局のところ自分はいつまで経っても父との思い出から離れられないし、親離れできないまま惰性で生きてきた、と。
父との思い出を心のばねに生きてきたのだけど、その先に得られたものがなくて空っぽなまま今に至ってるんですね。


そんなつばめをミーシャは「失ってばかりの人生じゃない!」と悲しむのだけど、それにつばめは「それでも余りある幸せをあなたとの出会いで得られました」と答えるんです。
そして駆けめぐる1クール分の思い出たちの走馬燈


母との思い出の中にしか世界がなかったミーシャの心を新しく拓いたのは、父との思い出の世界から離れる事の出来なかったつばめでした。
父との思い出を引きずり続けて生きてきたつばめに新しく導を示したのは、母との思い出の中に生き続けてきたミーシャでした。
ある種比翼の鳥とも言えるその関係性と、それを確かめ合って2人共に明るく前を向いて歩き出す、そんな描写に去年一番感動したと言っても過言ではないかもしれません。
ひょっとしたらそれは依存する先が新しく置き換わっただけなのかもしれないけれど、もし2人がこの先別れたとして、それを引きずり続けて生きることはないだろうな、
という前向きさは確かに感じられました。本当にいい話だった…………