雑記もろもろ。

オタク的所感の備忘録

キリエフローリアンという女の子

なのはReflectionという映画において最もよくできてるな、と思うのは、過去作を踏まえた上でより際立つキリエちゃんのヘタレもとい人間臭さと、
それを騙すイリスの言い分の圧倒的正当性、と言うよりも身勝手な行動について極めて妥当なしっぺ返しを食らわせているという点だと思う。


過去作について手を差し伸べられる側の女の子達はどういう事をしていたか、
まずフェイトちゃんは、プレシアの為に頑張るも裏切られて心が折れる、でもなのはの優しさに触れてまた立ち上がる力を貰ったんだ、という流れで、
はやてちゃん(むしろアインス?)はどうかと言うと、自分のあずかり知らぬところで騎士達が暗躍するも闇の書に裏切られて、
いきなり消されるシーンを見せられて心が折れる、でもそんな自分に優しい夢を見せてくれるアインスにそれじゃだめなんだ、と促して再起する、っていう流れ。


この2つに共通してるのは、心を折られる展開が目的を果たす為にしてきた悪行に対する正当な報いにはなってなくて、
むしろ心折る描写の苛烈さ、理不尽さばかりが際立って悪行に対する責任はうやむやになっている、って点なんですね。
一応悪行に対しての贖罪は物語が終わった先で情状酌量、保護観察だったり管理局への奉仕活動だったり、でされているわけなんだけどあくまで作中では。


その点今回はどうかと言うと、お前は騙されてたんだよ!と明かされた段階で、
「でも貴方も見ず知らずの女の子に私と同じ事してきたよね?貴方も私も同じよw」
と、この時点でキリエは自分自身の悪行に手痛いしっぺ返しを食らっているんです。
騙されてやった事とは言え、目的を果たす為に他人の犠牲を厭おうとしなかった事に対する責任はまた別の話で、
そこについて決して詭弁とまでは言い切れない論理で責任を問われる、これが過去作にはなかった、行動に対するある程度正当な罰が下される描写で感心した点。
(もっとも悪辣さは古い友人を騙すイリスのそれの方が圧倒的に上なんだけど)


そこにもってきてもっと惹かれたのが、やり返そうと襲いかかるも脅されて引鉄を引けない、っていうヘタレさ。
まずこのやり返そうとする、という行為自体過去作にはなかったもので、ただ泣き寝入りでは終わりたくない、てのが非常に人間臭くて好感がもてました。
で、どうなったかと言えば知っての通り、と。

大きな覚悟をもってこの地に来たつもりで、姉に「お姉ちゃんに私の気持ちなんてわからない!」とまで言ったのに、
そんな覚悟は実は口先だけで、実は覚悟に伴う危険なんてどこか自分には関係のない事だと思ってしまっていた事にいざ命の危機をちらつかられされて初めて気付く、
っていう情けなさ。
でも、そんな情けなさこそが血の通った等身大の10代前半なようにも思えて嫌いになれないし、むしろ憎めなさ、愛らしささえも感じてるんだけど、
そういう見方になるのは自分がおっさんだからかもしれないなぁ。



結局何が言いたいかって言うとロリエちゃんのぼさぼさ天パをシャンプーしてさらさらにしてあげたい